母親の長生きと娘のため息

私の母は、約50年前に当時では珍しい高齢出産で私を産んだ。高齢と言っても、36歳で現在の基準なら全然問題にならない年齢だと思う。今にして思えばさして高齢ではなかったが、小学生になった私は周りのママ達が若いのが羨ましく、母親が歳を取っているのが引け目だった。

成人式の日には母親はかなり疲れていて、(多分更年期だったのだろう)早朝出掛ける私を布団の中から見送っただけだった。着物を着ることを拒否した自分も若気の至りではあるけど、世間の母親とは違うことを少しだけ切なく思った。

どうもうちの母は一般的なおうちのお母さんとは違うと昔からうっすら感じていたけど、その正体はよくわからなかった。

時は流れて自分が中年になり、母親は老婆になった。父親は数年前に他界して、今は気ままに一人暮らしをしているが、度々些細な事で精神的に不安定になるようになった。これも老化現象というやつだろうと思って、その都度対応してきたが、本人は全て自分一人でやりこなしているつもりでいるのだ。よくよく思い返してみると昔から家庭を一人で切り盛りしている感を出していたような気がする…母は専業主婦で通してきたから、生活費はもちろん全て父親の給料から出していたのだが、少ない給料をやりくりしたのが自慢らしい。

要するに本質は変わっていなくて、一言で言えば世間知らずの変わり者なのだが、若い頃は理性でコントロールしていた感情が老化でコントロール出来なくなったと言う状態。

認知症検査をしても、異常無し。知能に問題は無いので、やはりこれは、元の性格が濃縮された結果らしい。

母の長寿を喜ぶべきなのだろうが、年々キツくなるクセの強い性格に私は困惑している。